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近況報告:ベトナムでの椅子開発プロジェクト
2週間ぶりの更新となりました。申し訳ございませんでした(;^_^A
先週は4泊5日工程で、ベトナムへ出張に行っておりました。今お世話になっている飲食チェーン店様の、客席の椅子の開発案件です。以前は積極的に貿易にも行っていましたが、近年は全く取り組めていませんしたので、ちょっと力を入れています。
工場の風景です。

気温は34℃くらいでしたが、今回はそれほど暑く感じませんでした。
恐らく5月のGW辺りが最も暑いのかな、と思ったり。
本当に長くかかっていた地下鉄も開通し、街が新たに開発されたり、人々の行動が変わったり、ライフスタイルに変化があるようです。やはり鉄道が街をつくるは万国共通なんですね。

開発している椅子のことは、またシリーズで皆様にお届けいたしますね。
ソファの寿命を延ばす「座面クッション」のメンテナンス
さて、本題のソファの座面のへたりについてです。
これは結構多いお問い合わせです。ソファの心臓は座面のクッション性です。最も体重がかかりますし、ボリュームも減ります。お子様がトランポリンのように飛び跳ねて底が抜けてしまった、なんていうこともよくお聞きいたします。
これは車でいうと、タイヤ交換のようなものと考えています。タイヤがすり減ったからといって、まさか車ごと買い替える人はいないですよね。消耗品を変えて、本体の根源的使用価値を維持するためのメンテナンス、という意味では、同じかと思います。
車はエンジンがもちろん心臓ですが、いくらエンジンを回しても、タイヤが無ければそもそも車としての用を為しません。極論エンジンが無くてもタイヤがあれば人力車や自転車でも成立していますからね。
したがって、快適に座るために、座面の品質レベルは最も大切な要素なのかな、と私は個人的には考えています。
ソファクッションの主な3つの構造タイプ
さて、ひと口にクッションと申しましても、色んなタイプがあります。
私どものように、生産国、メーカー、年代、にかかわらず、どんなものでも雑食でお受けしている事業者は、本当に何件やっても終わりがない位、色んなパターンがあります。
しかし大別することはできます。
日本で流通しているものは主に、
- ウレタンフォーム+表面にフェザークッション
- コイルスプリング+ウレタンフォーム
- ウレタンフォームのみのクッション
主にはこの3つに集約されると思います。

何かいい画像無いかな、と思ってWEB検索しましたが、いいのが無かったので、手描きで書かせていただきました。見づらいと思いますが、お許しください。
①フェザークッションのへたり原因と修理費用
まず➀フェザークッションですが、お預りする時点の状態は以下の通りです。
- クッションの前の方がヘタリ、斜めになっていてお尻が滑るような気がする。
- カバーの中を覗いたら、鳥の羽みたいなのがいっぱいでびっくりして閉めた。
- 鳥の羽が寄ってしまって、バランスが悪くなっている。
こうしたお客様の声が大半です。
さて、イラストにあるように、フェザークッションの内部は中袋(なかぶくろ)と呼ばれる、さらっとしたシルク調の生地で縫製された袋の中に各中材が仕込まれています。
フェザーは、表面側で小さな小部屋に縫製された中に入っています。小部屋にする意味は、一部屋にしてしまうと、それこそすぐに偏ってしまい、フェザーが均一に広がらないために座り心地に偏りが出てしまうためです。ところが、小部屋にしていても、フェザーは、それぞれの小部屋の間を移動してしまうのです。よく座るところから逃げるように隣の部屋へ移動します。主には縫製したミシン穴から移動してしまうのです。(そんな小さな穴から。。。。って感じですよね(;^_^A)
お預りするときには大抵湿気を吸ってしんなりもしています。従いましてお預りして修理をする際は、クッションを陰干しして湿気を飛ばし、各小部屋にフェザーを充填してふっくらさせます。
そして下の部屋にあるウレタンも、お客様の好みで構成を変えることもできます。
- 今と同じくらいでいい
- 最近腰が痛くて沈んでほしくないから硬めで
というのがほとんどの場合のご要望です。
今と同じくらいの場合ですと、中を開けた際の古いウレタンを拝見すると、どのウレタンがどの割合で積層されているかが分かりますので、同じ構成で製作して入れ替えます。
【費用イメージ】
費用イメージですが、例えばW650×D650×H130程度のクッションで、
ウレタン税別20,000円前後+フェザー充填で15,000円前後=35,000円前後になるかと思います。
従いまして、3人掛けだとクッションが3つありますので、
税別35,000円前後×3個=105,000円前後ということになりますね。
②ポケットコイルクッションの再生とオーダーメイド対応
次に➁ポケットコイルです。
コイルと呼ばれる鼓型バネ(つづみがたばね)は通常、白い不織布の中に一つ一つ入っていまして、その不織布の袋を連続的に縫製してバネシートみたいな状態で納品されます。イメージで言うとベッドマットの小さくて薄い版みたいなイメージをしていただくと良いと思います。
お預りする際には、このコイルバネシートがそのまま使える場合と、不織布からバネが飛び出ていたり、不織布が破れていたりして再利用できない場合があります。
再利用できる場合:
まず再利用できる場合は、イラストにあるように、コイルバネシートの周りに仕込まれているウレタンのみ張り替えてあげると再生ができます。元のクッションを解体し、ウレタンを張り合わせ、最後に樹脂綿(じゅしめん)と呼ばれる樹脂製の綿をぐるっと巻いて丸みを持たせて、カバーの中にセットします。
費用イメージは上記と同じ大きさで税別15,000円前後になります。
再利用できない場合:
次に、コイルバネシートが再利用できない場合はこのバネシートを新調するか、もしくはこれを機にバネをやめて全てウレタンクッションに変えてしまうか、という選択になります。ここではバネシートを新調して入れ替える場合で御説明いたします。
バネシートは特に既製品があるわけではありません。弊社がお世話になっているバネシートメーカーさんは大きさや高さを指定すれば、ある程度オーダーメイドで1点ずつ製作してくださいます。オーダーメイドなので、やはり少し高額にはなりますが、バネが良い方にはとてもありがたい存在です。このメーカーさんの品質は高く、現在は電車の客席シートにも採用される予定になっています。
費用イメージですが、
コイルバネシート税別25,000円前後+ウレタン仕込み製作税別15,000円前後=40,000円前後となります。
3人掛けで3個ですと税別40,000円×3個=120,000円前後となります。
通常のクッションが体重を「支える」という考え方に対し、バネは、「反発して体重を押し返す」といったイメージかと思います。
③最もポピュラーなウレタンのみのクッション
最後にウレタンのみのクッションです。これが最もポピュラーです。ほとんどのクッションはこの構成になります。イラストにあるように、ウレタンの積層と樹脂綿(あったりなかったり)のみの構成で、裏表両面使いか、片面使いかで構成は異なります。
先ほどのイラストは両面使いです。クッションカバーが表裏共に、表地用のテキスタイルの場合は、ウレタンの偏ったへたりを回避するために、裏表どちらでも使用できるようになっており、ユーザーは定期的にひっくり返しながら使用すると、ウレタンの偏ったへたりを避けることができるようになります。
もちろん片面使いもあります。その場合は裏にあたる部分にはソフトウレタンや樹脂綿は、基本的には仕込みません。
【費用イメージ】
費用イメージですが、全てウレタンで交換した場合、上記同様の大きさで、
税別20,000円前後となります。
上記、元々ポケットコイル入りのクッションを全てウレタンクッションに変更製作する場合にもこの単価が適用されます。
3人掛けですと税別20,000円前後×3個=60,000円前後となります。
やはりウレタンのみの方がお安くなります。
まとめ:好みで選ぶクッション材と「土台」の重要性
これは座り心地の好みの問題で、優劣の問題ではありません。
- 座った瞬間に「ふしゅー」と空気が抜けてふんわり包み込まれるような座り心地が好きな方
→フェザークッション - 座った瞬間からバネのあおりでしっかりしながらもクッション性が欲しい方
→ポケットコイル入りクッション - 固さを調整しながらも、しっかりとした座り心地でリーズナブルにしたい方
→ウレタンクッション
といった感じです。
もう一つ踏み込みますと、座面のへたりを感じた際は、座面のクッションのさらにその下のバネやベルトが弛んだり切れたりしている可能性もございます。
こうした状況ですと、いくら座面のクッションを新調しましても、さらにその下のベースがダメになっていると、せっかく新調したクッションの耐久性も著しく落ち、またへたり易くなることは否めません。従いまして、私が現調する場合は、クッションそのものの劣化と併せまして、その下の下張りの状態も必ずチェックします。
下張りの御説明については、また別の機会にさせていただきます。
既に長くて、皆さまもお疲れかと思いますので(;^_^A
本日はこの辺りで終わりにしたいと思います。
へたりはだんだん訪れるので、いわゆるゆでガエルで、何となく心地の悪い状態でお使いの方もたくさんいらっしゃるかと思います。お代はかかりますが、一部のメンテナンスで、劇的に座り心地が改善できますので、一度ご家庭のソファのクッションを確認してみてくださいね。我慢して使う必要なんてありませんので(;^_^A
今日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
また次回、よろしくお願い申し上げます。
ではまた次回に。
ありがとうございます。

