このブログでは、「家具でお困りの全ての方の、心、判断の基準の助けになる、リアルで有用な情報」を書かせていただいています。
家具の買い替え、家具の修理、とりわけテーブルの塗り替えや椅子の張り替え、椅子のぐらつき直し、椅子の塗装、箪笥や食器棚の蝶番の修理、ソファの張り替え、ソファの座面内のクッションの入れ替え、リメイクなど、幅広い守備範囲と経験、知識、でお客様をサポートさせていただいております。
毎日10件前後のお問い合わせをいただき、皆様の疑問、質問にお答えしています。そのリアルな情報を、できる範囲で皆様にご提供してまいります。家具修理ご検討の一助になれば幸いです。
家具修理を検討する理由「新しい家具を探すのが面倒だ」
さて、今回は家具修理を検討する理由第4弾の「新しく家具を買うのが面倒で、探しに行くのもおっくうだ」です。
よく、お客様からのお電話をお受けしたり、出張見積させていただいた際にお聞きしますが、「みんな高い家具屋から修理するんやろ?うちのはそんないい家具ちゃうしな。」とか、「よっぽど大事にしてはるから修理するんやんな?」と仰います。普通はそのように思われると思います。
ただ、意外に多い理由が、この「新しい家具を探すのが面倒だ」です。
家具修理を検討されるお客様は、ご自宅を新築された際や、住宅を購入された際、またご結婚の際に購入された家具がほとんどです。それから20年~40年ご使用になっていますので、お客様のご年齢も60代~70代以上の方が圧倒的に多い、という状況です。
本来はワクワクするはずの買い物なのに
普通、何か新しいものを買うことは、普通はワクワクしますよね。でも、何故おっくうに感じるのか、ですが、もちろんわかりやすくは、年齢によるもの、と言えるかもしれません。若い時にはアクティブに動いて、いろんなお店を見て回る、ということが楽しくて、ウキウキワクワクしていたが、体力的に大変になってきた、なんていうこともあるかもしれません。
「どの店で買うか」より「誰から買うか」だった時代
インターネットがなかった時代、お客様は、折り込みチラシやTVCMなどを見て、実際に何店舗かに足を運び、接客してくれた店員さんの説明を聞き、信頼できると感じた営業マンから、一番気に入った商品を選んでいたと思います。どのお店で買うのか、よりも、「どの店員から買うか」という要素が強かったと思います。なぜ店員から買うのか。それは自分では収集しきれない専門の人でなければ知り得ない情報や、他のお客様の購入例をベースに、「店員なりにしっかりと『編集』された、『私にぴったりの情報と判断基準』を提供してくれた、からだと思います。
例えば私も、椅子の張り替えや、ソファの張り替えのご相談で訪問した時にお客様から聞かれますのは
「他の人はどの生地選んではるん?」
「私分からんし、専門家から見て合う生地選んでよ」
「私、センスないしわからんから、お勧めの教えて」
なんていうことがとても多いです。
家具は人生で何度も選ぶものではない
家具を買ったり、家具を修理したりする機会というのは、人生でそう何度もありません。スーパーやコンビニでは毎日のように買い物をします。洋服も、少なくとも季節の変わり目や、休日のショッピングなどで出かけます。
しかし、人生のある重要な局面で購入する住宅や家具、車などは、高額消費ですし、日ごろからそれほど情報収集しているわけではありません。その時に大変な労力を使って、足を運び、専門家の意見をたくさん聞き、一大決心をして決断します。
年齢が高くなってくると、こういう活動が、体力的にも精神的にもきつくなってくる、ということは容易に想像できます。
「おっくう」の正体は年齢ではない
そうしますと、おっくうの正体は、高齢化によるもの、と考えらると思うのですが、しかし、私はちょっと違う感じで見ていますし、お客様の気持ちを感じています。
「おっくう」の正体は「失敗のない正確な情報を得るための労力」なのではないかと。
家具専門店が減り、頼れる存在がいなくなった
量販店が主流になった家具業界の変化
前述の通り、インターネットが無かった時代は、「信頼できる店員」が大切な情報源でした。家具を買うたびに、信頼できる店員を尋ねて、その店員から何度も家具を買っていました。推しの店員ですね。お客様もいわゆる「お得意さん」になっていました。そういう専門店がたくさんあったのです。
しかし、近年の家具小売業界は大きく変わりました。市場を占めているのは、いわゆるホームファニシング形態、という雑貨をメインにした量販店です。最大手はニトリさんですね。その他東京インテリアさんやMUJIさん、ナフコさんなどもありますね。一方、いわゆる地域密着型の「家具専門店」がほとんど廃業されていて、残っている専門店もほぼなくなってきたのです。
知識と経験を持つ店員が少なくなった現実
専門店が無くなっていく、ということは、上質で高価な家具を購入する際に、頼りになる店員がいない、ということです。残念ながら量販店さんに、家具の深い知識を持っている店員さんはあまりいらっしゃいません。
専門店には、パートさんであっても20年戦士のような、時には社員さんよりも知識と経験を持つ、スペシャルなパートのおばちゃん、みたいな店員さんが各店にいらっしゃいました。(あえてて親しみを込めておばちゃんと呼びますのでお許しを(;^_^A)
量販店の店員さんは、もちろん、展示されている商品に対する知識は持っていらっしゃいます。しかし、製造のことや素材のこと、将来の修理、メンテナンスのことを深く知っている方はほとんどいらっしゃらないのです。これは私自身も家具小売店さんの下請け仕事もありますので、日々実感していることです。
家具選びの情報収集は「自己責任」の時代へ
インターネットとAIが新たな情報源になった
では、今、家具を買い替える時はどのように情報収集をするのでしょうか?
それこそインターネットや、最近ではchatGPTなどに代表されるAIですね。
昔、専門店が隆盛を極めていた時、お客様が気に入った家具が、自宅のインテリアに合うのか、大きさは家に入るのか、また適しているのか、搬入経路は大丈夫か、など、いよいよ判断に困れば、店員が「ちょっと見に行ってあげますわ」と自宅に足を運んで、お客様をサポートしていました。しかし量販店にそのようなサービスはない、と言っても過言ではありません。
情報を集め、判断し、失敗のリスクを背負う
そうしますと、自分で情報収集し、自分で情報を編集し、自分で家に合うのかを判断し、寸法も自分で取らなければなりません。情報をインターネットで取らなければならないのです。家具事業者自身も、発信媒体を広告や営業から、インターネットにほぼシフトしてしまっています。
情報過多が生む「失敗への不安」
正しい情報にたどり着けなければ大失敗する
ここでお客様がおっくうに感じる瞬間が来ます。溢れる情報の中から、自分にぴったりの情報を間違いなく探すために、膨大な量の情報を精査しなければならないのです。これは足を運ぶ以上に大変な労力ですし、大変なリスクを含んでいます。正しい情報を獲得しなければ、高額消費で大失敗する、ということなのです。
価格と耐久性のギャップという現実
某量販店が、「これは数万回の耐久試験をクリアしたソファです」とCMで宣伝します。お客様は「こんなに試験をしている大手の商品だから、20年以上は使える」と判断して購入されます。3人掛けのソファを10万円前後で。
しかし、私たちは20年以上3万点を超える家具修理の実績の中で、本当にたくさんの商品の「内部」を熟知しています。みなさんがよく耳にされる有名店の家具もたくさん修理してきました。3人掛けソファを10万円で買って素晴らしい買い物を出来ることはありません。断言します。ストレスなく、20年使えるソファを買うための予算は、30万円がスタートなのです。耐久性のある素材、構造、型取り、縫製、技術を合わせたら、10万円で買えるわけがありません。もって5年といったところでしょうか。
失敗を避けたいという気持ちが、行動を止める
良い家具を捨ててしまうかもしれない不安
いい情報にリーチできなかったことで、もともとお持ちだった素晴らしい家具を廃棄して、雑貨のような家具を購入して失敗する、そういうリスクを、お客様はどこかで感じていらっしゃるのだと思います。いい家具を捨てて、質の良くない家具を買ってすぐにダメになり、後悔する。そういう結末を、漠然と想像されているからこそ、悩んでおられるように思うのです。
情報収集の堂々巡りが「おっくう」を加速させる
膨大な情報量から、限られた予算で、これまで使ってきた家具に並ぶ、もしくは超える買い替えが可能なのか、を判断するために、PCやスマホと毎日にらめっこをする。目は疲れるし、だんだん訳が分からなくなってくる。それほど苦労して、失敗するかもしれない。そういう堂々巡りをしていること、もしくはそうなることが予想されると考えていると、買い替えがどんどんおっくうになってくる、ということなのかな、と思っています。
おっくうの正体。それは膨大な情報量を処理して、自分が満足できる結果に導くための情報活動の在り方の変化、ということではないでしょうか。
信頼できる技術と人に出会えたとき
これまで愛用してきて、ずっと長く、暮らしを支えてきてくれた家具に間違いはありません。あとは、技術的にも、企業姿勢的にも、信頼できる業者に出会えたら、持っている家具を美しく修理することが、最高のリスクヘッジであり、満足度が高い選択である、という結論に至っていただけるのだと思います。
私たちは、買い替えが良いか、修理するが良いか、極力正確な情報と、多くのケースを見てきた経験と、情報編集力で、お客様をフルサポートしていますし、これからもそのようにしてまいります。修理がベストな選択でないと判断した場合は、他社様の製品であっても、積極的に買い替え推奨しています。
一度購入すれば、一度修理をすれば、そこから10年単位での家具の伴走が始まります。それが失敗なく、毎日の暮らしが快適で、豊かなものになるよう、一人一人のお客様の、最高のコンシェルジュであり、サポーターでありたい、そう願って、これからもしっかり頑張ってまいります。
椅子の張り替えでも、ソファの張り替えやソファの座面内部の修理でも、ダイニングテーブルの再塗装でも、ダイニングチェアのぐらつきの修理でも、家具のリメイクでも、とにかくどのようなことでもお困りになれば、いつでもお声がけください。
みなさまからの御連絡を、心よりお待ち申し上げております。
それでは今日はここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回をお楽しみに~。

