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シリーズ最終回|蝶番修理のご相談が多い理由
とうとうよくご相談をいただくお修理の全10巻も最終項目になりました。1週間に1回(2週間空いてしまったことも2回くらいあったかな?(;^_^A) 更新してきましたので、ちょうど2ヶ月くらいに渡ってお話してきたことになります。ずっと読んでくださっている方、本当にありがとうございます。
さて、今日は蝶番交換です。本当は10番目にもってきて良いのか、というくらい、実感としては、もっと多いのかな、という印象を持っています。ただ、御用命いただく割合としましてはそこまで高くないのかもしれません。
というのも、蝶番そのものは1個数百円~2千円ちょっとくらいのものなんですが、取付費用も含めると、ご納得いただけない場合も多いからかな、と思います。
蝶番とは?家具に欠かせない重要パーツ
蝶番(ちょうばん)は、箱物家具(洋服箪笥、和箪笥、食器棚、下駄箱など)に使われている部品のことで、本体に扉を取り付けて開閉できるようにするための大切な部品です。
本当にたくさんの種類があるのですが、今日は主な2つの蝶番についてお話いたします。
スライド蝶番の特徴と調整方法
まずは最も多いスライド蝶番です。

とても便利な蝶番で取り付けもしやすい蝶番です。便利というのは、調整ができるためです。扉の左右、前後の傾きを、ドライバー1本で調整できるのです。
9割方きちんと位置出しをして取り付け、残り1割は微調整ができる、という労力の分配イメージですね。
ご経験があるかもしれませんが、扉の調整がズレてきますと、例えば、2枚の観音扉の食器棚の扉どうしが、真ん中でこすれ合って開け閉めしにくいことがございます。これは、2枚の扉がお互いに中央に寄ってしまっている、ということなので、それぞれの扉を少しずつ、外外へ寄るように、ドライバーでネジを調整すると、2枚の扉が離れ合ってくれて、きちんと締められるようになります。
ネジというのは、使っていれば、わからない程度に必ず勝手に回ってしまい、いつかはズレてきてしまいますので、使用頻度にもよりますが、不具合が出てきたら調整することが大切です。
しかし、画像にもございますように、たくさんのネジがついていますので、どのネジが、どの動きのためにあって、そしてどの程度回せばうまく調整できるのか、なんていうことは、普通は分かりませんよね(;^_^A
アングル丁番の特徴と注意点
次にアングル丁番

こちらはスライド蝶番と違いまして、取り付けた後の調整機能はありません。唯一調整できるのは取り付けの際に便利な長穴です。
画像中、蝶番の左側の四角い部分(私たちは吊元側(つりもとがわ)と呼んでいます)に、「K」の文字が見えるかと思いますが、この横の穴が縦に長くなっていますね?扉を取り付ける際に、扉を下にずれて取り付けてしまうと、扉の下側が本体に擦れてしまいますし、上にズレて取り付けてしまいますと、扉の上側が本体にこすれてしまいます。
なので、この長穴で上下を調整し、ちょうどいい高さに調整してから、しっかりとビスを締めて、位置を固定して取り付けることができるのです。
これは金属ですが鋳物(いもの)ですので、長年の使用によって劣化して割れてしまうことが多いのです。
蝶番の寿命と交換サイン「鉄粉」に注意
スライド蝶番しかり、アングル丁番しかり、長年使用してきて、蝶番の周りに黒い「鉄粉(てっぷん)」がついてきたら、交換のサインです。これは蝶番の本来の機能を超えて摩耗が進み、部品の中のどこかとどこかがこすれ合うことで金属が削られて粉が出ている、ということなのです。
鉄粉が現れても使い続けていますと、ある日突然蝶番が完全に割れて、扉がドスンと落ちてびっくりして、慌てて、業者探しを始められて、ネットで私どもにたどり着いていただく、という流れになるのだと思います。
突然扉が落ちてくると、ガラスが割れたりしてお怪我の元です。鉄粉が出てきたら交換のサインですので、是非一度今の状態を見てみてください。だましだまし使い続けることもできると言えばできるのですが、お怪我をされる前に是非御連絡いただければと思います。
蝶番交換の費用目安(京都市内の場合)
- 蝶番が壊れてしまって交換しなければならない時
- 使っているうちに調整が狂って扉の動きに不具合が出てきてしまった時
我々の出番になるわけです。
参考までに京都市内のお客様へのご提供している料金ですが、概算は以下の通りです。
①現調費 税別3,000円(現状の確認と、同じ取り合いの金具を探すために、使用されている蝶番の壊れていないものを一つ預かって帰ります)
②出張交換工賃 税別16,000円~(扉1枚につき、通常3~4個の蝶番がついていますので、その扉1枚分の蝶番交換作業を出張で行う料金) ※扉が2枚以上になると20,000円~35,000円程度
③施工当日の交通費諸経費 税別3,000円(車両台、燃料代、コインパーキング台、工具の償却費等)
➃蝶番代 税別1,000円程度~2,500円程度×必要個数(扉1枚につき2~4個が多い) 蝶番を調達するために、金物業者さんやときにはホームセンターなどいろいろと駆け回る費用も含まれます。
➄消費税
これらを合計しますと、京都市内で扉1枚分の蝶番を出張施工しますと税込3万円弱位が標準的な料金になるのです。
修理費用は高い?安い?判断のポイント
この金額を、高いと思われるか、こんなものと思われるか、安いと思われるか、はお客様によって、またお持ちの家具の購入代金によって、ご判断が本当に変わるのです。
例えば婚礼箪笥や食器棚など、高額品としてご購入されたものや、日々使うもので、明らかに使いにくい場合は、ご納得の上ご用命いただける傾向にあります。
ただ、通販や量販店で購入された安価な製品ですと、蝶番交換費用はとてももったいなく感じてしまうようです。
しかし、以前にもお伝えしたかもしれませんが、家具とは「道具」です。道具とは、暮らしを便利にしてくれるものでなければなりません。不具合のある扉は大変なストレスです。便利どころかストレスになるんじゃあ、何のための家具かわかりませんね。。。。
当然、蝶番には寿命はありますが、無理がかかった状態で使われているものを調整してあげるだけでも延命になります。とにかく異変を感じたらすぐに私ども含め業者に相談することをお勧めいたします。
シリーズ完結|家具修理TOP10を日々の家具の手引きに
さあ、10巻完了です (笑)
来週から何を書こうかな~♪なんて考えながら、まずはこの10巻を、日々の家具の手引きのようにお使いいただけたら嬉しいな、と思っております。
いつもご覧になっていただき、本当にありがとうございます。
また来週をお楽しみしていただけたら嬉しいです。
今日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

