このブログでは、「家具でお困りの全ての方の、気持ち、判断の基準の助けになる、リアルで有用な情報」を書かせていただいています。
家具の買い替え、家具の修理、とりわけテーブルの塗り替えや椅子の張り替え、椅子のぐらつき直し、椅子の塗装、箪笥や食器棚の蝶番の修理、ソファの張り替え、ソファの座面内のクッションの入れ替え、リメイクなど、幅広い守備範囲と経験、知識、でお客様をサポートさせていただいております。
毎日10件前後のお問い合わせをいただき、皆様の疑問、質問にお答えしています。そのリアルな情報を、できる範囲で皆様にご提供してまいります。家具修理ご検討の一助になれば幸いです。
相見積もりの話をする前に|前提とお客様への想い
さて、今日は相見積の取り方、と言いますか、注意と言いますか、ちょっと生意気な内容も含まれているかもしれませんが、お許しください(;^_^A
私たちのお客様が、私たちにお問い合わせいただくきっかけは、以下が主なものになります。
- お得意様(一般のお客様も業者間取引もございます)
- ご紹介(一般のお客様からのご紹介や百貨店様、家具店様からのご紹介です)
- ご新規(主にはインターネット検索で弊社を見つけていただく初めてのお客様です)
という感じです。
お客様への想いに差をつけてはいけないとは思いますが、やはり、一番大切に想っているのは、「お得意様」になります。
弊社の家具修理サービスをご利用いただき、お問い合わせから、御見積、接客、施工、納品に至るまで、高く評価をしていただき、もう一度ご依頼いただけるわけですから、本当にありがたく、忙しい時でも最優先で取り組まなければならない、という想いでおります。
次にご紹介お客様です。これはお得意様からのご紹介になりますので、やはりとても大切です。弊社のサービスをお気に召していただいたお客様からのご紹介ですので、紹介されたお客様も期待をされます。
家具修理というのは、人生の中でそう何度も依頼するものではないと思います。その大変なイベントで失敗したくない、思い入れのある一点モノの家具の修理をきちんとした人にお任せしたい、という強い思いをお持ちですので、紹介者、紹介された方の、強く大きな期待に必ず応えなければなりません。
だからといって、何か特別なことをするわけではありません。いつも通りに、一人一人のお客様、一つ一つの家具をone of themにすることなく、真剣に取り組むだけです。
不謹慎な言い方ですが、私は、お得意様、紹介客様を可愛く思い、家族のつもりで接しています。家族や恋人が、何かのサービスを受けて、クレームを言わずにはいられないような嫌な思いをしたら許せないですよね。家具修理を、人生における潤いのある経験、素敵な思い出にしていただき、「修理っていいな」「モノを大切にしないといけないな」という風に、少しでも思っていただけるように力を尽くす気持ちで取り組んでいます。
相見積もりをわざわざ「伝えること」に感じる違和感
さて、本題です。相見積です。
私たちもインターネットでWEBサイトを掲示して、発信している以上、多くのお客様にご覧になっていただき、他の事業者様と、内容や施工例、料金などを見比べて、どの事業者に依頼をするのが良いか、と比較してお考えいただいている、ということは当然理解しています。それはお客様の権利であり、当然のことです。
ただ、お問い合わせをいただく際に、それを明らかに提示されるお客様がたまにいらっしゃいます。いわゆる「そんなこといちいち言わなくてもいいのに」ってやつです。
繰り返しですが、お客様の権利です。相見積を取ることも、それを伝えることも権利です。
しかし、家具修理は取引です。依頼者と提供者の契約です。
依頼者は、機会と対価を与え、受諾者は役務とサービスを提供することが義務です。やはり取引は気持ちよく、スムーズに行わなければ、お互いが気持ちよく進みません。お互いに、お互いを慮る気持ちが大切だと、私は考えています。
相見積をお取りになっているお客様がお伝えになる文言は以下のようなものが多いかと思います。
- 他社にも見積を取っていますので、見積が出そろったら決めたいと思います。
- 見積をいただきましても、他社様の見積も出てから検討したいのでご容赦ください。
- 他社様の説明によると○○○とのことですが、御社も同じ施工方法でしょうか?
- (メールやLINEで概算提示後)他社様にも見積をお願いしてますので少しお時間ください。
- 他社との見積を揃えますので、来週○○曜日までに見積を提出してください。
といった感じのものが多いかと思います。
わざわざ相見積もりを取っていることを伝えずに相見積を取っている方や、そもそも相見積を取っていない方は、非常に違和感のある文言に見えるかと思います。そうなんです。相見積を取ることは何の問題もないけど、「わざわざ言わなくても良くない?」ということなんです。
職人側が相見積プレッシャーから想像するお客様の気持ち
並んでいる相見積プレッシャー(と、仮に呼びます 笑)をお伝えになるお客様の気持ちは概ね以下の通りかと思います。
- 他社にも見積取っているから、相場感はバレるし、高く見積もったら他社に発注するよ
- 当然なるべく安く修理したいから、分かるでしょ。相見積で安くなるよう各社に交渉するよ
- 他社にも見積取ってるから、おたくに頼むかわからないの。悪いんだけど。
- (見積回答後の場合)こんなに詳しく説明があると思っていなくて、これで頼まなかったら悪いな。。。先に他社に発注する可能性があることを伝えておこう
という感じかと思います。
相見積を「伝えられた」場合の対応
結論ですが、相見積もりをお伝えいただいた際には、私はそのご相談は全てお断りしています。私自身が気持ちよく仕事ができないからです。
私は日々、職人たちが、お客様からお預りした大切な一点モノを試行錯誤して、真剣に向き合って、再生できるように力を尽くしている姿を見ています。出来上がってくるものも、それはそれは素晴らしい出来栄えです。
私はお客様の希望と、職人側のベストはここ、という落としどころの接点を設定することと、品質管理を主な仕事としていますので、職人には無理な要求をすることもありますし、出来上がったものを何度も工場に返すこともあります。先述の通り、自分の恋人や家族の品物と思って取り組んでいるからです。
つまり、お客様の想い、職人の想い、を大切に取り組んでいるのです。その中にはもちろん料金、予算も大変大切な要素だと深く理解しています。品質がよければいくらかかってもいい、なんていうことは基本的にはありません。職人の言い分を聞きすぎるとお客様からは高くいただかなければならないし、お客様の言い分を聞きすぎると、職人に安価すぎる価格で発注し無かればならなくなる。相場やこれまでの膨大な案件と照らし合わせて、落としどころをつけて、みんながWINWINになることが重要だと思っています。
相見積もりを「伝える」目的と職人のプライド
戻りますが、相見積もりを「伝える」基本的な目的は競争させて少しでも安価にサービスを受けることです。
極論を言ってしまえば、安ければどこでもなんでもいい、という気持ちの表れです。
事業者に相見積を伝えるというのは、自分の大切な家具が、ちゃんと気持ちのある業者に安心して任せられるか、ということよりも、安くすることが目的、という考えの表れです。
私含めて職方というのは、こうしたお客様の気持ちを敏感に察します。相見積を伝えられた瞬間にこういわれていると感じているのです。
「おたくの仕事ぶりはどんなものか知らんが、とにかく安くしてね。もちろん品質についてもうるさく言うからね。」
職人は数十年に及ぶ日々の努力と技術の積み上げで、自分の仕事にプライドを持っています。技術や想いはさておき、値段だけを言われることは、職人のプライドに触れることになりますし、「そんな奴、客ちゃうし、いらんわ」という発想になるのです。(汚い言葉ですみません(;^_^A)
もちろん私も同じように感じますので、すぐに丁重にお断りするのです。
「誠に申し訳ございませんが、弊社只今業務繁忙につき、他社様とご相談いただいているようでしたらそのままそちらでお進めいただけますと幸いです。是非他社様で検討進めてあげてください。誠に申し訳ございませんが、弊社は見積辞退を申し上げます。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。」
といった感じです。
上記の通り、別の感情もあるのです。
同業者への配慮|下品に感じる価格交渉
僕たちが一生懸命必死に仕事に取り組んでいるように、他社も一生懸命取り組んでいます。ライバルではありますが、同士でもあるのです。自分がされたら嫌なことは相手にもしたくない。自分が詳しく説明した内容と金額を、相手方に開示されることは気持ちよくないこともさることながら、事業リスクでもあります。「ああ、あそこはそういう内容をそういう説明をして、○○円で受注してるんだ」ということを知られてしまうということです。
相見積をお取りになる方の中には行ったり来たり漫才(笑)の方もいらっしゃいます。片方の業者に「もう一社はこういう内容でいくらで出してきたよ。おたくはいくらで受ける?」と、金額を引き出した後、そのもう一社に「こっそり教えるけど相手は○○円って言ってきた。今○○円にしてくれたら、この場で決めるよ」みたいな。
私は、こういう方を下品だな、と感じてしまうのです。
信頼されるお客様の共通点
私どもに大切な家具を預けて下さる方は、一様に上品な方多いのです。マダムとかそういうことではありません(笑)
相手の気持ちを慮り、私ども側に立っても考えて下さり、当日の駐車スペースのことまで考えてくださいます。当然、それ以上のHAPPYをお返ししなければ!とスイッチが入りますよね。私どもは、下品な方を相手にする時間や労力、精神を、カットして、全て、大切な「お客様」のための時間、労力、精神に、全振りしたいのです。相手にしている時間がないのです。
上品な相見積の作法|理想的な対応例
繰り返しですが、上品な方が相見積を取らないのではありません。相見積を取っていらっしゃることもたくさんあると思います。しかし、作法が違うのです。
- 丁寧な見積をありがとうございました。大変参考になりました。買い替えも含めて、もう一度じっくり検討したいと思います。このたびはありがとうございました。
- 今回は修理をせずに、そのまま使ってみようと思います。
- (見積に対して返信がない)
これはどれも額面通りのお気持ちかもしれませんが、他社様にご依頼されている可能性も十分あります。でもそんなことはどうでも良いのです。お客様の自由ですし、ねぎらいの言葉をかけて下さるだけで、お客様の罪悪感も少し和らげば。きれいごとでもなく、強がりでもなく、本心でそう思っています。
というのも、多くのお客様が仰いますが、「家具修理ってそんなに相談あるの?」と驚かれます。電話、メール、LINEを月間200件~300件いただきます。その全てのお問い合わせを私が応対させていただいておりますので、ありがたくも本当に忙しいのです(;^_^A 良いことではないと思いますが、見積回答した後は、ボールはお客様にありますので、その一件一件に対して、「あのお客様から返事がないな」なんていうように覚えていられないのです(;^_^A
返信が無いのも、全然OKです。むしろご丁寧にお断りの返信をいただく場合は、本当にまじめで、親切で、丁寧な方だな、と感心しているくらいです。言い方は悪いのですが、くだらないこと(他者との見積を比べて検討しましたが、今回は他社で決めることにしました)言うくらいなら、返信せずにほったらかしていただいたら良いと思います。これこそ、わざわざ言う必要ある?っていうことだと思います(笑)
通常、ご丁寧にいただいた返信には、必ず御礼のご返信をいたしますが、こういう方にはその時間と労力ももったいないので、私の方がスルーさせていただいています(笑)
まとめ|気持ちよい取引のために
そもそも、今日のお話も、私どもの気持ちなども、「わざわざ書く必要ある?」ということは分かっています(笑)
でも、これから、複数社で見積を取得されようとするお客様に、職方の心理と、取るべき作法をご理解いただき、気持ちよく修理完了まで進んでいただきたいと願っておりますので、あえてお伝えさせていただきました。
表現には、無礼な物言いや、不快な表現もあったかもしれません。リアリティのために、ということでお許しいただけますと幸いです。m(__)m
毎日気温も高くなってきましたね。今年はスーパーエルニーニョで大変な酷暑の年となるようです。酷暑日というのも設定されたそうですね。
私どもも、職人が熱中症になってはいけませんので、工程は緩めにとって行こうと思います。施工にお時間を要することもあるかもしれませんが、ご理解いただけますと幸いです。
本日はここまでとさせていただきます。
相見積の結果、弊社をお選びいただけますこと、心待ちにしております(笑)
それではまた次回お会いしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

