このブログでは、「家具でお困りの全ての方の、気持ち、判断の基準の助けになる、リアルで有用な情報」を書かせていただいています。
家具の買い替え、家具の修理、とりわけテーブルの塗り替えや椅子の張り替え、椅子のぐらつき直し、椅子の塗装、箪笥や食器棚の蝶番の修理、ソファの張り替え、ソファの座面内のクッションの入れ替え、リメイクなど、幅広い守備範囲と経験、知識、でお客様をサポートさせていただいております。
毎日10件前後のお問い合わせをいただき、皆様の疑問、質問にお答えしています。そのリアルな情報を、できる範囲で皆様にご提供してまいります。家具修理ご検討の一助になれば幸いです。
さて、先週は、お客様の飲食店チェーン様への納品のために、日曜日出発前日入り、月曜納品当日で熊本へ出張に出ておりました。2週間空いてしまい、申し訳ありませんでした。熊本はとても賑やかな都市でした。お客様のお商売繁盛を、心よりお祈りしております。
再注目される「籐(ラタン)」素材
今日は籐の張り替えです。一時期籐素材が使われることが激減しましたが、ここ最近、デザイン性の高いナチュラル系の家具を展開されるメーカーさんや小売店様に見直されて、少し増えてきている印象です。
しかし私どもがお預りする家具は、やはり購入後20年~40年経過しているものです。その時代、国産メーカーのカリモクさん、マルニさん、コスガさん辺りの食卓の椅子には多用されています。いわゆる流行素材だったのでしょうね。
籐は、張りたての新しいうちは天然の油分が含まれており、この油分のおかげで特有のつやがあり、しなやかで弾力性のある素材です。
年数が経って、使えば使うほど飴色に変化し味わいが出るというのは、この油分の経年による馴染みと言えると思います。
我々にお問い合わせをいただく時には、乾燥も進み、また何かの結果でフレームに沿って全体がバリっと破れていたり、背もたれの真ん中あたりの一部の籐が切れていたり、切れているところを更にお孫さんがペリペリと穴を広げたり(笑)されて、御連絡いただきます。
籐の張り替え方法は2種類:機械編みと手編みの違い
まず籐の張り替えに際し、大きなポイントがあり、2つに分かれます。
機械編みか、手編みか、の違いです。
現在ほとんどのお客様がお使いになっているのが「機械編み」のシートになります。
イギリスのアンティーク家具などには手編み加工がされているのをしばしばお見受けします。
違いは下記画像を御参照ください。


弊社ではどちらのタイプも対応させていただいていますが、コストはかなり変わってきます。
手編みは文字通り、1本の籐を使って、一本一本手で編み上げていきますので、膨大な時間と手間がかかります。従いましてコストもかかります。
面積にもよりますが、1脚あたり税別配送費別60,000円~80,000円前後になることもございます。
一方機械編みの方は、籠目(かごめ)編みの柄に機械で編まれた幅500mm程度の籐のシートをロールで調達しています。張替対象箇所の大きさに合わせて、このシートをカットして張り込みます。
面積にもよりますが、1脚あたり税別配送費別18,000円~22,000円程度になります。
相当な差ですね。
機械編みに変更するための溝加工という選択肢
では、機械編みをお持ちのお客様は高コストで張り替えるしかないか、と言いますと一概にそうでは有りません。穴が連続しているフレームに、機械編みのシートを張れるよう、溝を掘ってあげるのです。元々穴が連続しているので、それを彫って穴と穴を一つ一つ穴をつなげていく、というイメージです。
穴は貫通しているので、背裏の穴をどうするか、という問題は残りますが、埋め木をするなりして穴を閉じることはできます。
溝加工の費用がおおよそ税別20,000円程度必要になりますので、機械編みの張り替え18,000円と合わせますと合計38,000円は必要になってしまいますが、機械編みに比べるとお安くなりますことと、次回の張り替えの際には、初めから機械編みの張り替えのみでの対応が可能となりますので、将来への一時的な投資、というイメージでしょうか。
籐の編み方の種類:籠目(五分・三分)と四ツ目
さて、前後しましたが、籐の編み方の種類は、主に3種類ございます。
籠目(かごめ)編み五分(ごぶ)
籠目(かごめ)編み三分(さんぶ)
四ツ目(よつめ)編み
といいます。
籠目編み五分と三分の違いは丸い穴の大きさです。五分の方が大きく、小さいのが三分になります。画像ご参照ください。

三分の方が編みが細かくて籐の本数が多く使用されているので、強度が高いように思われますが、実は五分が最も強くなっています。
この理由は、使用されている一本一本の籐の太さがポイントです。ご覧いただいての通り、五分に使用されている籐が一番太くなっているのです。
私どもがお預りする籐の張り替えは9割方籠目編五分です。岐阜高山の家具で時に三分が使用されているものがございます。四ツ目編みはマルニさんの地中海シリーズ位かな、という印象です。
基本的には、元の編みと同じものを選択されることが多いのですが、御希望でしたら別の編み方に変更することも、もちろん可能です。もともと籠目編みだったものを四ツ目編みにする、ということです。極論を申しますと、籐をやめて、布張りに変更することも可能です。
籐の色合わせ塗装|費用と経年変化の考え方
さて、籐は画像にもございます通り、何も色合わせ塗装を施さなければ、白っぽい生成色をしています。
カリモクさん、マルニさん、コスガさん、の家具は、当時のクラシカルイメージのブランドのものが多いため、木部フレームは濃茶色(濃いブラウン)がほとんどかと思います。
そのため、籐を張り替えた後は、フレームの色に馴染むように、籐をブラウンで色合わせ塗装する必要があります。8割方のお客様は、この色合わせ塗装を御希望になります。
一方、色合わせ塗装には、1脚あたり税別6,000円のコストがかかりますので、そのコストを節約したいということで、生成のままでの御希望もございます。
あえて「生成」のまま仕上げるメリット
ところが、コストカットのためとは言え、濃いフレームと籐の生成色のコントラストが、意外と最近人気です。「明るくなっていいじゃない?」「籐らしくてきれいで可愛い」などのご意見がおおく、コストカットができる上、見た目にもいい、ということで、このご判断は結構増えてきております。


色合わせ塗装につきましては、修理でお預りする時点でもそうですが、経年でどんどん色が落ちてしまします。籐の表面は蝋気質のため、塗装は一旦乗りますが、密着が甘いことと、籐自体がしなって動くため、ぽろぽろと落ちていくイメージです。
また生成は、前述の通り、経年であめ色に色が変わっていきますので、とてもいい雰囲気に変化していきます。こうした家具の楽しみ方も一つかと思いますので、生成での張替はお勧めです。もちろん塗装のご依頼をいただいた方が売上にはつながるのですが (笑)
まとめ:家具のお困りごとはいつでもご相談ください
籐の張り替え方など、様々なことはまだございますが、お客様にお伝えしたいことは、ほぼ網羅できたかと思いますので、今日はここまでとさせていただきます。
今日の予想気温は20℃を超えるようです。いよいよ春の訪れでしょうか?僕もブログを書き終えたら、あとでお出かけしようと思います♪
今日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。また何かお困りごとがあればいつでも御連絡くださいね。
それではまた次回、お願いいたします!

